DISC2-10 冷血（コールド・ブラッド）

1985年2月1日発売のシングル。いよいよ『ラヴ・マイナス・ゼロ』の発売をひと月後に控えた状態でリリースされた、正真正銘の先行シングルという感じだ。 これも後期甲斐バンドにとってライヴでの呼び物のひとつとなった楽曲。 バリライトを効果的に使った照明も素晴らしかった。 もちろん『ラヴ・マイナス・ゼロ』のほうにも収められたが、シングル、アルバム両ヴァージョンでヴォーカルのバランスなど、ミックスが異なっている。 ローリング・ストーンズの「トゥー・マッチ・ブラッド」あるいはポリスの「キャント・スタンド・ルージング・ユー」などに通じる、“死”を題材にした楽曲。 日本では珍しい題材だろう。甲斐よしひろの頭の中には、ある殺人事件をもとにトルーマン・カポーティが徹底的な取材のもと書き上げた同名のノンフィクション・ノヴェルのイメージがあったに違いない。 『GOLD／黄金』以降の冷徹な視線が、ここでは最大限効果的に発揮されている。

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